予約品を取りに来ない!取り置き商品の無断キャンセル対処法を考える!

飲食店や旅行業界などのドタキャンや無断キャンセル(ノーショー)が最近話題になっています。しかしドタキャンなどはそれ以外にもアパレルや雑貨店・生菓子店など商品の取り置きや予約」を受け付けている店舗でも、深刻な問題に発展するケースがあります
防ぐのが不可能と思っている経営者が多いようですが、商品の取り置きや予約のドタキャン・ノーショーは、あらかじめ対処法をフロー化しておくことで、損害を減らすことが可能なんです!
今回は予約品や取り置き商品のドタキャンや無断キャンセルの対処法について考えていきます。

取り置き商品の無断キャンセルで店舗が受ける損害とは?

アパレル関係や雑貨・キャラクターグッズ、コスメ用品、ケーキや和菓子など「商品を販売している店舗」では、季節限定ものや特別な日のための商品、予約限定販売商品などの予約を受け付けているところが多いです。
しかし一度予約したものの、販売開始後にお客様の都合で受け取りに来なかったり、キャンセルされたり連絡が付かず納品できないといったケースは意外とあります。
事前に代金や送料をいただいているのであれば、店舗側の損害は少なくてすみますが、商品と代金が引き換えの場合は店舗側は代金を受け取ることができず損害となってしまいます。ドタキャンや無断キャンセル(ノーショー)が増えれば、それだけ店舗の損害額が大きくなってしまいます。

取り置きや予約は、遠方のお客様にとっては来店時に商品を確実に受け取れる、発売日に確実に発送してくれるというメリットがあります。HPなどでネット販売を行っている場合は、地元だけでなく全国・また場合によっては海外からのお客様を見込めるというメリットもあるんです。無断キャンセルやドタキャン対策を行うことで、遠方のお客様を取りこぼすことなく店舗の売上を上げやすくなります。

無断キャンセルを抑止するフローを作ろう

予約品や取り置き品の無断キャンセルやドタキャンを防ぐには、都度臨機応変な対応となるとどこかしら矛盾点が出てしまい、逆に損害につながることも。そのためまずは無断キャンセルを抑止するための、基本となる作業フローを作ることをおすすめします。きちんと基本的な対処法をフロー化して設定しておくことで、例外的なケースの対処もしやすくなり、ドタキャンや無断キャンセルを減らしていくことができます。

まずは予約や取り置き時の対処を決める

商品の予約や取り置きは「販売開始〇日前~〇日前まで」などと期間が決まっていることが多いです。お客様は予約日しか気にしていないことが多いので、予約告知と共に「キャンセルは〇日前まで」「キャンセル料が発生します」というような、ドタキャンや無断キャンセルでキャンセル料が発生することを告知しておくことが大切です

取り置きの場合は、取り置きは〇日間まで」など、取り置き可能な期間をきちんとお客様に伝えておくのはもちろんですが「期間を過ぎて商品を受け取りに来なかった場合店舗側の判断でキャンセル扱いにする」、「キャンセルの場合はキャンセル料が発生する」といったことも伝えておくことが大切です。

ブラックリストもフロー化する

商品を購入してくれる大切なお客様ですが、予約・キャンセルを短期間で何度も繰り返すようなお客様は、正直お店にとってマイナスにしかなりません。また本当にその商品が欲しくても予約のタイミングが間に合わなかったお客様に対して、迷惑行為を行っているとも考えることができます。
クレームをつけて毎回予約を断る・支払いを延滞するというケースもあるでしょう。あまりにドタキャンや無断キャンセルが多いお客様は、ブラックリストに入れる」ことも検討したほうがよいです色々な業界でドタキャンや無断キャンセルを頻発するお客様に関しては、回数制限を設けて、指定回数以上のキャンセルを短期間で繰り返した方に関しては、予約をお断り」しているところもあるんです

ただしブラックリストも、きちんとフローを作成し条件を定めて作るべきです。具体的には「一ヵ月以内に〇回のドタキャンやノーショーを行った場合」といった感じで、店舗での独自の基準を定めましょう。もちろんお客様にもこの条件を伝えておかなければなりません。きちんと約束を守れない場合は販売は可能でも、予約や取り置きができないことを伝えておくことも大切です。

無断キャンセルされた場合の商品の扱いをフロー化

予約時のキャンセル条件やキャンセル料の発生条件、ブラックリストのフローなどと一緒に、無断キャンセルやドタキャンされた商品の扱いもフロー化する必要があります。雑貨やアパレルなどの商品などは、そのまますぐに店舗での販売という形にシフトすることができます。しかし生菓子や飲食店などの場合はオーダーメイドやコース料理など、そのまま販売するのが難しい場合も多いです。
オーダーメイドや飲食店でのコースメニューは、思い切ってその場でアレンジを加えてその日限定商品にしたり、SNSで購入者を募るという方法も考えることができます。自分の店舗にあったフローを考えることで、無断キャンセル時の損害を減らしていきましょう。

飲食店・生菓子店の場合

飲食店や生菓子店など食べ物を扱っている業種では、ドタキャンやノーショーは致命的な損害につながることもあります。そのためしっかりと無断キャンセル対策をフロー化し、ドタキャンや無断キャンセルの損害を減らしていく必要があります。

飲食店のノーショー対策に関しては、こちらの記事でも考察しているので参考にしてください。

予約品はオーダーで作っている!

居酒屋やレストランのコース料理や、生菓子店のケーキや和菓子などの予約品は、基本的に予約を受けてから作成しています。そのため予約が発生した時点で、材料費はもちろん料理を作る人に対しての「人件費」も発生します。食べ物は日持ちしないものが多いので、無断キャンセルや当日にドタキャンされた場合は損失につながるケースが多いです。

対策1:サービス品としてすぐに提供・販売する

もしもコース料理を予約していたお客様がドタキャンや無断キャンセルを行ったり、予約していた生菓子などがキャンセルになった場合は、その日のサービス品として、お客様に提供したり店頭で販売することも考えましょう。こうすることで料理を無駄にすることもなく、来店されたお客様も思わぬサービス品に喜んでもらえ、無断キャンセルやドタキャンによる損害を減らすことができます。

しかし予約時間が遅い場合は、販売したくても閉店間際だと難しいことも多いです。このような場合は、日頃頑張ってくれている従業員へのねぎらいも兼ねて、従業員へふるまうことを考えてみてはいかがでしょうか?従業員にふるまうことで金銭的な損害は出てしまいますが、食べ物を無駄にしないですみます。

対策2:予約可能時間を設定する

予約時間や予約品の引き取り時間が遅い場合は、無断キャンセルやドタキャンされた場合に販売したり提供するのが難しいので、予約可能時間をあらかじめ設定しておきましょう。

例えば店舗の営業時間が10:00~21:00の場合、予約受付可能時間は閉店の2~3時間前の18:00~19:00までにする、というように閉店ぎりぎりまで予約を受け付けるのを極力避けることで、無断キャンセル発生時の商品を他のお客様に提供しやすくなります。

アパレル・雑貨店の場合

アパレルや雑貨商品などの場合は商品そのものの「日持ち」に関しては心配する必要があまりありませんが、どこのショップでも簡単に入手できる商品の場合は、販売するタイミング」が重要な要素になってきます
無断キャンセルやドタキャンされた場合、飲食店や生菓子店同様に店舗で販売することが重要ですが、キャンセルを回避するために取り置き期間の設定や、リマインド連絡を入れることが大切な要素になってきます。

予約品も、販売は素早さがポイント!

アパレルや雑貨商品などの予約商品も飲食店や生菓子店と同様に販売するタイミングの速さ」が重要になってきます常時需要のあるようなロングセラー商品ならまだしも、シーズンが限られているような商品や新商品は、タイミングを逃すと売れにくくなってしまいます。
このようなことから、予約キャンセル扱いにする期間をきちんと設定し、お客様に周知してキャンセルが発生したらすぐに店頭やネットショップで販売することで、損害を減らしやすくなります。

対策1:取り置き期間を徹底する

取り置き品や予約商品がドタキャン・無断キャンセルされる理由を知るためには、お客様の購買心理をきちんと理解しておく必要があります。

お客様の購買意欲について

一般的にどんな人でも簡単に入手しやすい商品に関しては、時間がたつほど購入意欲が冷めやすくなる傾向にあります。逆に期間限定品などのレア度が高い商品や、購入店舗が限られていて入手しやすい商品ほど、購入意欲が高くなります。

予約すると「必ず手に入る」という意識が働いてしまい、購入意欲が下がるお客様もまれにいますが、この場合キャンセルしてから購入意欲が再び沸いてきてクレームになることもあるんです。そのため、きちんと予約や取り置き連絡時に、お客様にキャンセル扱いになる期間を伝えておきましょう。

取り置き期間はどれくらいがベストなのか

Yahoo!の知恵袋などで時折取り置き期間についての質問を見かけますが、ショップ側で取り置き期間を設けていないと引き取りに来ないというお客様は意外に多く、約8割が無断キャンセルになるという統計があるほどです。そのため一般的に取り置きに関しては、「1週間」としている店舗が多いです。

しかしお客様の購入意欲は、発売から日が経つにつれ冷めていくものなので、少しでも早い時期に設定すべきで可能であれば「当日中」が一番でしょう。当日中にしておけば、翌日にはすぐに棚に戻して販売することができ、本当に商品が欲しかったお客様が購入することができるだけでなく、取り置きの無断キャンセルによるショップの損害を減らすことができます。

スタッフ同士の情報交換も忘れずに!

お客様にきちんと取り置き期間や、期間が過ぎた後の対応を伝えていても、スタッフ同士で連携が取れて居なければクレームが発生することもあります。
例えば、お客様から電話で引取時間の延長を受けたスタッフが、他のスタッフに連絡し忘れていて、棚に戻して売れてしまった、なんてとも発生しかねません。
そのため店舗内でスタッフ同士のコミュニケーションは重要なので、きちんと情報交換ができる体制を作っておきましょう。

対策2:リマインドの連絡をする

お客様から商品の取り置きを頼まれたり、予約が入った場合、その場で名前と電話番号を聞くだけ、になっていませんか?
当日中ならまだしも、取り置き期間が1週間、2週間と長かったり、販売まで2ヵ月近く期間のある予約商品の場合は、お客様の方で取り置きしていることを忘れている場合があります。そのため取り置きや予約が入った場合には、お客様に対しリマインド連絡を入れましょう。
引き取り期限が近くなったり、販売開始数日前などにお客様に連絡を入れることで、取り置きや予約の再確認・購入の意思の確認を行うことができるので、無断キャンセルを防ぐことができます。

予約品や取り置き品を引き取りに来ない場合はどうする?

リマインドを行っても引き取りに来ない場合は、以下の対処を行いましょう。

  • お客様に再度連絡をし、購入の意思の確認や来店日などを確認する
  • 留守電になる場合は、期間が過ぎているので棚に戻すことを留守電に入れる
  • お客様に連絡を入れたうえで、商品を棚に戻す

しかし聞いていた電話番号やメールアドレスが間違っていた場合、連絡が付きません。このような場合は、1週間を目安に棚に戻してしまいましょう。そのためにも予約や取り置き連絡を受けたときに、きちんとお客様に引き取りに来なかったときの対処を伝えておく必要があります。

棚に戻す前には必ず連絡を!

商品を棚に戻す場合には、お客様に連絡してからにしましょう。
期日までに商品を引き取りに来ないお客様に非があるとはいえ、連絡もなく棚に戻され他の人に販売されると、お客様の方でもよい気持ちはしません。
お客様にきちんと期日が過ぎたために予約や取り置きをキャンセル扱いにしたこと、そのために商品を棚にもどし他のお客様に販売することを連絡しましょう。こうした小さな気遣いをすることで、お客様の気分を害せず、ショップに対しても「きちんと連絡をくれる」という点で信頼度を上げて好印象を与えることができます。

まとめ:取り置きはあくまで仮販売である

取り置きや予約を「販売確定」と思っているお客様が多いですが、これらは全て「仮販売」の状態です。そのためきちんと期日やキャンセルに関する条件を定めることが損害を減らす重要なポイントです。
期日を過ぎてしまった商品に関しては、飲食店や生菓子なら当日の目玉品やサービス品としてお客様に提供する、アパレルや雑貨商品などは棚に戻して他のお客様に販売することで、損害を減らすことができます。
期日が過ぎた場合の対処法をきちんとお客様に事前に周知することはもちろん、リマインド連絡や棚に戻すときの連絡なども徹底して行うことで、双方が嫌な思いをせずに無断キャンセルやドタキャンを減らしやすくなるでしょう。

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