当日キャンセルとノーショーの違いとは!それぞれのダメな理由も解説!

飲食店はもちろんホテルやサロンなど多くのサービス業で問題となり、経営者が頭と悩ませている予約のドタキャン(当日キャンセル)やノーショー(無連絡キャンセル)ですが、似て非なるものというのをご存知でしょうか。
どちらもお店側にとっては大きな問題になることですが、お店が被る損害の大きさや、業界全体に与える影響の大きさなどひとくくりにはできない理由もきちんとあります。
今回はこのドタキャンとノーショーで発生する損害の違いや、理由についてご紹介していきます。

当日キャンセルとノーショー(無連絡キャンセル)は別物です!

外国人観光客の増加や、飲み会などでとりあえず複数のお店を押さえるだけ押さえておこうという考え方から飲食業界を筆頭に、さまざまなサービス業で社会問題にもなっている当日キャンセルや、ノーショー(無連絡キャンセル)ですが、似ているようで別物ということをご存知でしょうか。
まずはこの2つの違いをご紹介していきます。

当日キャンセルとは

お店やホテル、病院などに予約を入れたけれども、当日になって急な用事や体調不良などが原因で行けなくなってしまった場合、多くの人はキャンセルの連絡を入れていることでしょう。
当日キャンセルとはこのようにお客からの連絡が入ることで、お店側がキャンセルになることを把握できることを指します。
キャンセルの連絡が入るタイミングによって違いはありますが、予約が入っていた分の席を他のお客様に用意できたり、貸し切りになる予定だった場合でもお店をオープンしたりできるなど、お店側が何らかの対応を取ることが可能です。

ノーショーとは

当日キャンセル以上にお店に与える損害が大きく、社会問題にもなっているノーショーは、お店に対してキャンセルの連絡を入れていないのが当日キャンセルとの大きな違いで、「無連絡キャンセル」とも呼ばれます。
ノーショーが発生する要因としてお客側が「予約したことを忘れている」ことや、「キャンセルの連絡を入れるのが面倒」などが挙げられますがお店側は指定の時間になってもお客が来店せず、キャンセルの連絡もないので対策も打つことができません
このため見込んでいた売り上げを確保できないなど、お店が被る損害は当日キャンセルのそれよりも大きくなってしまいます。

当日キャンセルとノーショーで生まれる損害の違いとダメな理由

当日キャンセルとノーショーの違いは、キャンセルの連絡の有無ということは上記でご紹介しましたが、それぞれお店に対してどんな損害があるのかご存知でしょうか。
ここからは当日キャンセルとノーショーでそれぞれどんな損害があるのかや、ダメとされる理由を見ていきます。

当日キャンセルの損害と特徴

ノーショー(無連絡キャンセル)と比較すると損害が小さいと言われている当日キャンセルですが、だからといってお店が被る損害が少ないわけではありません。どのような損害があるのかご紹介していきます。

サービス代

お店が被る損害としてまず挙げられるのがこのサービス代です。サービス代と一口にいってもピンとこない人もいるでしょうが、飲食店であれば料理に使う予定だった材料費や、病院などであれば治療に使うための資材代などもこの中に含まれます。
もちろんスタッフの人件費や、水道光熱費といったお店の経費もこの中に含まれます。

スタッフの時間が空いてしまう

この損害は飲食店ではあまりピンとこないかもしれませんが、サロンや歯医者などの病院のように、お客に対してスタッフがマンツーマンでつくものであればわかりやすいのではないでしょうか。
こういったお店や病院の場合、当日キャンセルをされてしまうと対応するはずだったスタッフの手が空いてしまい、お店の生産性自体が下がってしまうデメリットが大きくなってしまいます。

ノーショーの損害と特徴

当日キャンセルと比較してお店の損害が大きいとされているノーショーですが、どんな理由で損害が大きくなるのかを知っておくと無連絡キャンセルがいけないことかがわかりやすくなります。
当日キャンセルと同じ部分もありますが、ノーショーがお店に与える損害を見ていきましょう。

サービス代や廃棄代

当日キャンセルの項目でもサービス代の部分でお店が損害を被るということをご紹介しました。しかし無連絡キャンセルの場合はこれに加えて廃棄代というものが加わってしまうんです。
この廃棄代は飲食店で多く発生するものですが、どんなお店でも素材をそのまま出すことはまずないと言え、下ごしらえをしたり、メニューによっては完成の一歩手前まで準備しておくことも少なくありません。
しかし無連絡キャンセルでは結果的にお店がドタキャンされたとわかるのが最後までお客が来なかった場合になってしまうので、使いまわしがきく素材などであればまだいいのですが、多くは廃棄になってしまい、余計な廃棄代などがお店の損害としてプラスされてしまいます

予約枠が無駄になる

当日キャンセルであればキャンセルになったことが分かった時点で、予約枠が開くので飲食店であれば外部の予約サイトで空きが出たことを告知できたり、予約枠を除いて満席で並んでいるようなお店の場合、その席にお客をお通しできたりという対応が取れます。
しかし無連絡キャンセルの場合はキャンセルなのかどうかの確認が取れず、対応が後手後手になってしまうので結果的に予約枠が無駄になってしまい、回転率が悪くなったり、利益を回収することが難しくなることが多いです。

キャンセルしそうになったら連絡を!

同じようなドタキャンでも当日キャンセルより無連絡キャンセルのほうがお店が被る損失が大きくなることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
お店側にキャンセルの連絡を入れる当日キャンセルであれば、これらの損害は多くのお客が訪れる人気店であれば補うことができることもあります。しかし人気店でもなければ思ったようにお客を集めることは難しく、無連絡キャンセルではこのように対策を取ることもできなくなってしまいます
複数のお店に予約してしまい、いちいちキャンセルの連絡を入れるのが面倒だというケースもありますが、無連絡キャンセルの被害を受ける店が多くなると、業界全体の景気が悪くなり、社会的な不景気にもつながってしまうんです。

まとめ:当日キャンセルやノーショーは厳禁

日本国内でのノーショーの被害額は2,000億円とも言われ、厚生労働省も対策レポートを発表しているくらいに大きな社会問題になっています。今回ご紹介したように当日キャンセルやノーショーはお店に大きな損害を与えるだけでなく、その規模が増えれば社会全体に大きな影響を与えてしまうんです。
ノーショーをするほうは連絡が面倒などの自分勝手な都合であることが多いですが、お店はもちろん、働いている人など被害を受ける人が多いこともしっかりと考えた上で、無連絡キャンセルはもちろん、当日キャンセルも厳禁だといえるでしょう。