近頃いろいろなところで見聞きする「飲食店予約無連絡キャンセル」。
お店の側はどんな風にそれを受け取っているのでしょうか。どのような損害が出ているか、考えてみたことはありますか……?
こちらでは、無連絡キャンセル(ノーショー)とはどういうことか、その重大さ、課されるかもしれないペナルティ」について解説します。
目次
1度は経験?!無連絡キャンセル
飲食店を経営している人なら、一度は経験しているのではないかと思われる「無連絡キャンセル」。
その中でも「No Show(ノーショー)」と呼ばれる行為はいったいどのようなことを指すのでしょう。
No Show(ノーショー)とは
ノーショー(No Show)とも言われるこの行為は、「〇日に△人で予約します」と予約したのにもかかわらず、連絡無しにキャンセルする行為を指します。
自分から予約したのに、お店側からの連絡も無視、その上キャンセル料も支払わないことを意味しています。
例えばこんなケースです。
会社の取引先の接待で、若手社員が3つの店を同一日時に予約した。当日、取引先の好みを聞いた上でその中の一つを訪れた。
しかし、他の2つの店にはキャンセルの連絡が入らず、来店を待ち続けることになった。
酷いケースになると
予約の時間を10分過ぎてもお客様が来店しないので、連絡したところ「スイマセン、今すぐ行きますから!」という返事だったので、予約席を確保して待っていたのに結局来店がなかった。
というような場合もあるそうです。
近年、ノーショーが与える損失は大きく(年間約2000億円以上)、経済問題になっています。
無連絡キャンセルがいけない理由は?
ノーショーを行う人は「別に大した損害とか出ないっしょ!」と思っているかもしれませんが、ノーショーは飲食店側にも、利用者側にもデメリットしかありません。どんなデメリットがあるのでしょう。理由を添えて解説します。
理由1:料理・材料・人件費が無駄になる
まっさきに思いつくのが、料理の廃棄です。仕入れや調理にかかったコストもそうですが、廃棄にもお金がかかります。お店の人も良い気持ちにはなりません。せっかく心を込めて作った料理を、手もつけられずに捨てるのはイヤな気持ちです。
また、予約客にサービスを提供するために確保した従業員には給与を支払わなくてはなりません。それも無駄な出費と言えるでしょう。
理由2:従業員、サービスにも損害が出る
無連絡キャンセルはそのまま損失となるので、積み重なれば従業員の給与にも響きます。すると、従業員数を保つことができなくなり、可能なはずのサービスを提供することにも影響が出ます。
加えて、「あのお店、いくら呼んでもウェイターさん来てくれないのよね」などとお店の評価が下がる場合もあります。まさに踏んだり蹴ったりです。
理由3:店の機会損失となる
予約の受理は他のお客様をお断りすることでもあるので、無断キャンセルしてしまうと売り上げの機会損失、となります。
それだけでなく、上の2つ目の例のように「予約席を空けて待ち続けたが来店がなかった」場合は、連絡があれば他のお客様をお通しすることもできたわけですね。でも連絡がないばかりに、さらに大きな損害となってしまったのです。
お断りしたお客様が必ずもう一度訪れてくれるわけではないです。予約の断りを繰り返すことで、「あの店何度も連絡したけど、いつも予約とれないな、次からは別の店で予約をとろうか」というように、お店の集客が次第に先細りになる可能性もあります。
理由4:無断キャンセルの損害分まで一般客が支払わなければならなくなる
飲食店側は、無連絡キャンセルの損害をどこかで穴埋めしなければなりません。そうしないと経営が立ち行かなくなるからです。
ではどこで損害を穴埋めするか。それは一般のお客さんに負担してもらうしかありません。メニューの価格が値上がりさせる、調理品の素材のランクを下げる、従業員の人数を減らす(結果、お客さんに十分なサービスが行き届かなくなる場合もある)という具合です。
理由5:予約そのものが難しくなる
飲食店も「予約を受けてもまた無断キャンセルされるかもしれない」と考えますので、お店によっては「予約というシステム自体をやめよう」となる場合もあります。
さらに、「席だけ予約して、あとは入店したときの気分でメニューを決めたい」と思っても「席のみの予約は無断キャンセル率が高いので、受け付けていません」と言われてしまうこともあるそうです。
無連絡キャンセルでこんなペナルティを課されるかもしれない!
「別に無連絡キャンセルしたって、こっちは何の被害もないしね」と思っているかもしれませんが、そうではありません。
ペナルティを課される場合もあります!
次回から予約を受け付けてもらえなくなる
予約サイトの場合、無断キャンセルを行うと規約違反とみなされ、次からサイト自体の利用ができなくなる場合があります。
それだけではなく、店舗独自の予約ブラックリストに載る可能性もあります。お店側は無断キャンセルされたら大損ですから、当然の処置でしょう。
損害賠償を請求される
大人数での予約を無連絡でキャンセルした場合、お店に与える損害はかなりのものです。
その場合、損害賠償を求められる場合もあります。2018年11月に無断キャンセルを防ぐ一手として「ノーショー対策レポート」というものが発表されました。それ以降、罰則が制定される方向になっています。
コース料理の予約であればその金額、座席予約のみの場合でも「平均客単価の5~7割」をキャンセル料として請求できるとしています。
無断キャンセルした人の信用が下がる
無断キャンセルを繰り返すと、上でお話ししたような2つのペナルティを受けます。そうなると社会的信用が下がってしまうでしょう。「あいつにはもう予約は任せられないな」「会社(大学、サークル)の名前に傷をつけた」と判断され、コミュニティ内での立場が危うくなる可能性もあります。
これからノーショー(無断キャンセル対策)はどんどん進んでいきますので、安易に無連絡キャンセルを行うのは控えましょう。
まとめ:ノーショー(無断予約キャンセル)は誰も得しないのでやめましょう!
ノーショー(無断予約キャンセル)は飲食店側にはもちろん、利用者にも大きなデメリットがあるということを理解していただけたらと思います。
「俺らには関係ないしぃ~?」ではないのです!
後悔しても取り戻せないような信用失墜につながる可能性、多額の損害賠償を求められる可能性もあることを忘れないでいてくださいね。