ネット上ではさまざまな「ネット予約サイト」があり、飲食店へ手軽に予約しやすい環境が整っていて、お客様側からすればサイトを経由することで、個人情報を教えずに店舗に予約できるというメリットがあります。
「ノーショー(無断キャンセル)のリスクが高くなる」、「予約管理が難しそう」ということで、ネット予約を導入することに躊躇している店舗も少なくありません。しかし大手予約サイトでは、ノーショー対策を開始ししているところもあり、以前よりネット予約システムを導入しやすくなっているのをご存知でしょうか。
今回は大手予約サイトの無断キャンセル対策や、予約のキャンセル期限の設定について解説していきます。
目次
大手の予約サイトでも無断キャンセルは起こる
食べログやホットペッパーなど、「大手予約サイトはノーショー(無駄キャンセル)がない」、というイメージを持っている人もいますが、大手予約サイトでもノーショーは発生します。
これはなぜかというと、お客様はネット予約サイトを利用することで気軽に予約を入れやすくなる半面、詳細な個人情報を教えずに直接店舗とやり取りを行うことができることから、ノーショーやドタキャンしやすい環境になっているからです。
食べログは無断キャンセル対策サービスを開始
大手飲食店予約サイトでもノーショーは発生します。ノーショーが多発すれば、予約サイトも契約している飲食店との契約解除や、売上激減というデメリットがあります。そのため予約サイト側も黙って見ているわけにはいきません。
大手予約サイト「食べログ」では、2018年11月20日に、リスク保証会社「Gardia」と提携を開始しました。Gardiaでは「No Show(無断キャンセル)保証サービス」を提供しており、食べログ側が契約したことで食べログ店舗会員に対し、「ネット予約の無断キャンセル保証サービス」を開始しています。
保証手続きに関しては食べログとGardiaが共同で、飲食店をフォローする形になっており、対象となっている店舗は食べログ経由で受けた予約の無断キャンセルに対し、金銭的な補償を得ることができます。
Gardiaは2017年10月から「No Show保証サービス」を提供しています。飲食店だけでなくホテルや美容院など、予約システムのある全てのサービスに対して、保証サービスを提供しており原則被害額の100%を保証しています。
いつまで?キャンセル期限設定の重要性
キャンセル料の請求するか、しないかは店舗の利益や存続に直接かかわってくるため、予約のキャンセル期限を設定することが重要なポイントとなっていきます。
一般的に予約日の1~2日前のキャンセルから、キャンセル料が発生するケースが多いです。しかしあまりにも高額なキャンセル料を設定してしまうと、「消費者契約法」によりキャンセル料自体が無効になってしまうことも。
キャンセル料の背邸は「消費者契約法の基本ルール」をきちんと踏まえた上で、設定する必要があります。
「消費者契約法」とは、事業者(飲食店)と消費者(お客様)の間で交わす契約に関する法律です。民事ルールに基づいて作られている法律ですが、事業者側が消費者契約法を破っても、行政的な規制や刑事罰を受けることはありません。消費者契約法を設けることで消費者から法律に基づき、契約の無効や取り消しを主張できるシステムになっています。
食べログなどの予約サイト経由の飲食店への予約は、飲食店とお客様の「契約」になるため、飲食店もこの「消費者契約法」の範囲内でキャンセル料などの請求を行う必要があり、あまりに常識外れな設定を行うと法律で無効とされてしまうことがあります。
キャンセル期限とは特約である
一般的に「キャンセル期限」は店舗側が決めた設定ですが、予約サイトを利用した場合、お客様側が予約段階で「キャンセル料について承認した」とみなされる特約です。消費者契約法で無効にならない設定にするには、まずキャンセル料を「キャンセルされることで生じる、平均的な損害額」に設定しましょう。
過去には事業者側があまりにも高額なキャンセル料を設定したことで、お客様がキャンセル料は無効という裁判を起こし、訴えが認められ「実際の損害を超える金額は無効」となった裁判例もあります。
キャンセル料以上の損害が出る場合には、別に損害賠償請求が発生することを、予約ページに明記しておくことも必要でしょう。きちんと記載しておくことで、平均的な損害額以上の予想外の損害が発しした場合に、損害額を請求しやすくなります。
期限設定で回転率を上げる
予約のキャンセル期限を設定することで、お客様の囲い込みを行いましょう。WEB予約サイトは人を介さない「ヒューマンレスなサービス」です。そのためお客様は気軽に予約しやすいことから、利用者数が多いため顧客獲得のチャンスも高いです。
確実とはいえないまでも、きちんと個人情報を登録いて予約をしてくれるお客様も多いので、WEB予約は電話のみの予約受付よりもキャンセル料を取りこぼしてしまう確率が低くなります。
自動キャンセルの期限を設けるのも有効
リマインドを行っても連絡が取れなかったお客様に対し、自動キャンセル期限を設定して、規約に明記するのも店舗の回転率を上げるのに有効な対策になります。
例えば予約日の3日前までに、リマインドで確認が取れない場合自動キャンセルする設定にしておけば、キャンセルになった場合、他のお客様の予約を入れたり、予約なしのお客様を迎え入れることができます。
まとめ:食べログなど大手サイト利用でもキャンセル対策は必要
「大手サイトは安心」というイメージが強い風潮がありますが、大手予約サイトでも、お客様は詳細情報を飲食店に教えずに予約できることが多いことから、ノーショーは発生することがあります。しかし予約サイト側もノーショーされることで損害を被るので、最近では予約サイト側もノーショー対策に保証会社と提携を行うところが増えています。
WEB予約システムを導入する際は、運営企業やシステムだけに頼るのではなく、自身でキャンセル期間や自動キャンセルを設定するといったことで、店舗の回転率を上げることができます。顧客獲得のしやすいWEB予約システムを上手に利用して、店舗の回転率を上げ売上拡大を目指しましょう!