飲食店の予約を無断キャンセルする理由!お客がばっくれる原因

お店に予約が入った時、お店のスタッフは予約に向けて色々と準備を進めます。
料理を用意して席をセッティングして、とせっかくお客さんを迎える準備をしたにもかかわらず、肝心の予約のお客さんが一向にやってこない…これは大変困った事態です。

席は空いているけれど来店客を通すわけにはいかないし、かといって料理が無駄になっていくかもしれない事態を見ているだけというのはとても悩ましいことと思います。

お店の方からしてみれば、予約をしてくれるほどお店に来たかったはずなのにどうして当日、何の連絡もなく無断キャンセルされてしまうのか理解に苦しむでしょう。

お客さんがばっくれる原因はなんなのか、今回は飲食店の予約を無断キャンセルするお客さん側の心理について考えていきましょう。

お客がばっくれる理由・心理とは

お客さんがばっくれる理由や心理はどんなものなのでしょうか。

無断キャンセルをされにくい店作りをするためには、このお客さん側の心理を理解することがとても重要になります。
お客さんの心理を理解することで、対策を練ることができるからです。

まずは、ばっくれる理由を考えてみましょう。

人気店だからとりあえず予約してみた

お店に人気が出てくると増えてくる、いわゆる冷やかしに近い心理状態です。

人は行列があれば並んでみたくなり、流行っていると聞けば興味がわいてくるものです。

人気店だと聞いて興味がわき、話のタネに興味本位で予約をしてみたけれど、当日にはその気分ではなくなっていたから、結局行かずに予約を無断キャンセルしてしまった、というようなところでしょうか。

流行り物に敏感な若い世代に多いキャンセル理由です。
有名税ともいえますが、お店側から見るとこの手の予約を事前に見分けることは難しく、対策を練りにくい厄介な予約といえます。

行くのが面倒になった

予約をしたときには行く気があったが、予約日が近づいてくるにつれて面倒になってくることは誰にでもあることです。

お店が遠くてわざわざ行くのが面倒になった…
他に優先したい予定が出てきた…

などの理由からお店に対する興味が薄れてしまい、お店に行くという予定の優先順位が下がってしまった結果、無断キャンセルにつながることがあります。

お店への興味を失われないよう、予約が入った後にも何かしらの情報を発信し続けるなどの工夫をすることで、キャンセルを防げる可能性があります。

食べたい料理や気分が変わった

予約した人が気分屋な性格のときにおこりやすい無断キャンセルです。

その日その日で気分が変わってしまうため、予約した時には行きたい!食べたい!と強く思っていても、いざ当日になってみたらその気分ではなかったということが、結果的にキャンセルにつながります。

人は一度興味を失ってしまうと、それに関すること全てが面倒になってしまう傾向があり、キャンセルの連絡もしてこないことが多いです。

こちらも対策をしづらい厄介なキャンセル理由といえます。

予定が変わった

仕事の都合で行けなくなったり、急な予定が入ってしまったりすることで、やむを得ず来店することができない場合があります。

このような理由は、お客さん側にも悪意があるわけではありません
どうしても来店することができない場合には、当日でも必ず連絡をしてもらえるように予約の時点でお願いをしておくことで、無断キャンセルを防ぐことができるでしょう。

複数のお店を同時に予約していた

特に大人数での催しでお店を予約するときに、起こりやすい事象です。

複数人での催しでは、お店が予約できないという事態を避けるために、とりあえず複数の店舗に予約を入れてお店を確保しておくことがあります。
後日、会費や人数を調整してお店を最終決定するわけですが、この時、キャンセル料を懸念したり、連絡が面倒になったりして、行かなくなったお店に連絡を入れず無断キャンセルになることがあります。

大人数の予約がキャンセルとなるため、お店への損害は大きくなりがちです。
メディアなどでよく取り上げられる無断キャンセルの問題も、このパターンが多いように思います。

キャンセルを防ぎ、損害を少なくするためには、予約の際に連絡先をしっかり提示してもらうこと、キャンセル料についてなどをしっかり取り決めておくことが大切です。

予約を忘れていた

そもそも予約したことを忘れてしまっていたというのも、無断キャンセルの理由に上がります。
忘れているので当然、キャンセルの連絡もありません。

お店に行くという予定の優先度が下がっていると、予定自体を忘れてしまいがちです。
お店から予約日までに何度か連絡を入れて、予約をリマインドすることで予約忘れを防ぐことができます。

簡単すぎるのも問題?予約のこれから

予約の無断キャンセルは、ここ数年で急激に大きな問題となってきました。
その背景には、お店の予約の簡易化があると考えられています。

インターネットで簡単に情報を手に入れられるようになり、お店の予約もインターネットや電話での予約が主流となりました。
予約が簡単にできることで、敷居が下がり新規顧客の獲得がしやすくなるなどの利点はありますが、その一方で昔は表面化していなかった問題も出てきています。

無断キャンセル問題もその一つです。

予約を簡単にできることでの課題や、それに対する対策などをみていきましょう。

簡単に予約できるとキャンセル意識も軽い

スマートフォンの普及により、誰でも手軽にお店の情報を調べられるようになりました。

空いた時間にちょちょっとお店を探して予約ができるのは大変便利なことで利点も多いです。
しかし、顔も見ずにボタン一つ、電話一本で簡単に予約ができてしまうことで、予約への意識がとても軽くなってしまっているのではないでしょうか。

予約する際に必要となるお客さんの情報は電話番号やメールアドレスだけということもあり、予約をばっくれられてしまってもどこの誰がキャンセルをしたのか、お店側はわからない状況にあることも多いです。
そのため、お客さん側もキャンセルしたところで深く追及されないだろうと高をくくってしまう部分もあるように感じるのです。

こうした状況から予約をしたことへの責任感が薄くなり、キャンセルすることへの罪意識も無くなってしまいます。
連絡するのも面倒だし、メールや電話が来ても無視すればいいだけだから…という心理に陥りやすく、結果的に無断キャンセルの増加につながっているのではないでしょうか。

予約が簡単にできるのはいい面もありますが、同時に無断キャンセルが起こりやすくなるという問題も抱えているのです。

ノーショー対策開始!予約は複雑になる?

経済問題へと発展している無断キャンセル(ノーショー)。問題を重く見た経済産業省が対策に乗り出すなど、この問題に対する関心も高まってきています。

この状況の中開かれた有識者会議では、店側が適正なキャンセル料を請求することがノーショーの対策になると提唱されました。
それに伴い、キャンセル料について予約の時点で同意を得る仕組みづくりが必要とされています。

つまり、現在の簡易化された予約システムが少々複雑化する可能性が出てきているのです。

キャンセル料の考え方を明文化

一部の調査によると約半数の人が、飲食店の予約キャンセルにキャンセル料がかかることを妥当だと考えているという調査結果が出ています。
しかし、飲食店で予約のキャンセルが発生しても、キャンセル料を取らずに泣き寝入りしているお店が多いのが現状です。

泣き寝入りする原因の一つに、キャンセル料の定義が確立されていないことが挙げられます。
今までは、キャンセル料を請求できるのか、どのくらい請求できるのかという定義がされておらず、各店舗のオーナーに判断が一任されている面がありました。

あいまいな面が多い分、実際にキャンセル料を請求することに二の足を踏むお店が少なくないということです。

この状況を打破すべく、ノーショーについて開かれた有識者会議では、ノーショーでもキャンセル料の請求ができること、またその適正価格の算出方法の指針が話し合われました。

キャンセル料を取るには、予約の時点で適正なキャンセル料を提示し、お客さん側にも同意を得ていなければなりません

適正なキャンセル料の指針が定義されたことで、あいまいだったキャンセル料についての考え方が同一となり、キャンセル料の請求がしやすくなることが期待されます。
キャンセル料の発生が一般的となれば、無断キャンセルの減少にもつながると考えられるのです。

キャンセルポリシーの同意を得るには?アプリの活用

キャンセル料を取るためには、予約の時点でお客側から同意を得なければならないわけですが、現在の予約システムでは同意を得ることができていないのが現状です。

そこで、予約システムの改善が急務となっています。

インターネット予約の場合は予約時にキャンセルポリシーを表示し、「同意する」にチェックを入れてもらうなどすることで同意を得ることが可能です。
しかし、電話予約となると事前にキャンセルポリシーを確認してもらうことが難しく、同意を得るのは困難です。
仮に口頭で説明し、同意を得たとしても電話での口約束となってしまい、キャンセル料請求の根拠としては心もとないです。

電話予約でもインターネット予約などと同様に、同意を得られるような仕組みづくりが求められている中、注目されているのが携帯アプリの活用です。
すでに、スマートフォンのショートメールにキャンセルポリシー送り、同意を得ることで予約を確定させるアプリがリリースされています。

どんな予約方法でも、キャンセルポリシーの同意を得ることのできる仕組みづくりが進められています。

無断キャンセルを減らすには

予約システムを変更し、キャンセル料を正しく請求できるような仕組みづくりが推進されているわけですが、これが運用されるまでには、まだしばらくの時間がかかると考えられます。
そこで、お店側が今からでも実践できる無断キャンセルを減らす取り組みをご紹介しましょう。

お客さんとコミュニケーションを取る

無断キャンセルは、お店への興味が薄れることで発生しやすくなるとご説明しました。

予約が入ったら直前の予約確認以外は特に連絡等を取らないことが多いと思いますが、予約から当日までお客さんの興味が薄れないよう、お店側からコミュニケーションを取るようにすることが大切です。

予約のリマインド以外にも、お店のおすすめメニューをSNSを使って発信し予約客にもメールでお知らせするなど、アプローチを続けることが、無断キャンセルの抑止につながります。

予約時には連絡先をしっかり確保する

予約時に連絡先をしっかり入手していないと、当日もし無断キャンセルをされても連絡を取ることができなくなってしまいます。
特に、簡単に削除できてしまうフリーメールのみでの予約は連絡が取れなくなってしまう例の典型です。

電話番号や削除できないキャリアメールなど、必ず連絡の取れる連絡手段を2つ以上確保しておくなど、予約時に対策をしましょう。

キャンセル料を取る

前項にて、キャンセル料を請求する取り組みについてご紹介しました。
予約の時点で、適正なキャンセル料を周知し、同意を得ておくことで無断キャンセルの抑止につながります。

予約特典を付ける

複数のお店を同時に予約している状況で起こる無断キャンセルは、自分のお店を選んでもらえれば予約のキャンセルは起こらなくなります。

そこでおすすめなのが予約特典を付けるなどのお得感を出す作戦です。

例えば、ドリンク一杯無料や、女性限定デザートサービスなど、予約特典を付けることで、「お得だからあのお店にしよう!」と最終的に選んでもらいやすいような状況を作り出しましょう。

まとめ:無断キャンセルをする理由

無断キャンセルをする理由や心理は様々ですが、共通していえるのは、予約から当日までの間にお店への興味が薄れてしまい、予定の優先順位が下がってしまうということです。

興味を持ち続けてもらえるよう、お店側からの積極的にコミュニケーションを取り続けるなどの対策を行うことで、無断キャンセルを減らすことができるでしょう。

また、キャンセル料を適切に運用することも、ノーショーの抑止につながると考えられます。
しかし、実際にキャンセルされた場合にキャンセル料を請求するには相当な労力が必要で、なかなか請求に踏み切れないオーナーさんも多いです。

結局のところ、お客さんの心情を考えながら、キャンセルされないための対策を取るのがベストな選択といえそうです。

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