飲食店の急な予約キャンセルを防ぐ!7つの対策とされやすい店の特徴5つ

事前連絡もなく当日予定時間になっても姿を見せず、無断キャンセルで飲食店に被害を与えるノーショーの被害額で、閉店に追い込まれる店舗まで出ています。
飲食業界だけでなく国の経済レベルでも、ノーショーによる利益損害額は大きく問題視され対策が考えられています。また予約の1~2日前や当日の急なキャンセルも、飲食店に大きな損害を与えてしまいます。

この記事では、ノーショーを含めた急な予約キャンセルから店舗を守るために、予約キャンセルの被害や対策だけでなく、ノーショーされやすいお店の特徴などについても触れていきます。

急な予約キャンセルから店を守ろう

「30人以上もの宴会の予約が入っているのに、時間になっても現れない」
予約当日に急にキャンセルされた

このような無断キャンセルや、ドタキャンによる被害に遭い、大損害を与えられたり、キャンセルが続いて頭を悩ませている飲食店は多いです。多くの飲食店では、キャンセル料の回収を諦めてしまうこともあり、お客様側のモラルが問われているような状況です。
しかし、急な予約キャンセルや、無断キャンセルは飲食店側である程度の対策を取ることも可能です

予約キャンセルが飲食店に与える被害は大きい

ノーショー」という言葉をご存知でしょうか

例えば、ランチで6名の予約が入ったとしましょう。
当日まで予約者から何の連絡もなく、店舗側は予約したお客様のコース料理を準備しています。
しかし時間になってもお客様は現れず、こちらから電話を入れると「いま駅前なのですぐ着きます」と言われたので待ちますが、一向にお客様は現れません。結局このお客様はランチ時間を過ぎてもお店に現れませんでした
当然用意した料理が無駄になり、後日連絡しても電話がつながらずキャンセル料すら回収することができませんでした

このように無断キャンセルを行い、キャンセル料金も支払わないお客様のことを「ノーショー」といいます。ノーショーは店舗だけでなく、他のお客様に対してもデメリットしかありません
ノーショーに関してはこちらの記事で実際の被害金額の内訳や、対策に関して紹介しています

「No show(ノーショー)をなくせ!飲食店のNo show対策レポートとは

キャンセルを防ぐ・された時の対策7つ!

予約キャンセルはどこのお店でも売上にならず、損害だけが残るので極力回避したいものです。急な不幸や病気などやむを得ない事情でキャンセルをするお客様もいますが、断キャンセルや悪質なドタキャンは、ある程度店舗側で対策を行うことができます。
またドタキャンが発生した場合でも、全額は無理でもある程度損害を減らすことのできる方法があります

対策1:お客様とコミュニケーションを重ねる

お客様から電話なり、メールで予約を受けたときにきちんと連絡先を確認せずに受けてしまったり、メニュー内容などに関して具体的に確認をしていない、なんて状況ではありませんか?
また「23日の19時に5名」といった内容だけの確認で、予約を受け付けているという飲食店がほとんどではないでしょうか?
予約人数が少人数の場合は、仮予約のことが多いですが、30~50人など人数が多い宴会や打ち上げなどの場合は、幹事が他の飲食店と迷ってとりあえず予約、というケースも多いようです。

予約の電話を受けたときは多少時間がかかっても、日時や人数、コースの確認は当然ですが仮予約なのか、他の飲食店とどちらにするのか迷っているのかを確認しましょう。さらに予約者の勤務先や学校名などを聞いておくことで、キャンセルされにくくなるという傾向があます。
予約のリマインド時に連絡が付かないという最悪の場合は、勤務先や大学などに連絡をするという対処を取ることも可能です。

このように、きちんと細かなところまで確認するコミュニケーションのある予約受付を行うことで、当日のドタキャンやノーショーを防ぐことができます。

対策2:予約を確認・リマインドする

自分のお店の予約、一度お客様から連絡が来たら当日まで放置という状態になっていませんか
予約時に仮予約といって予約されたお客様でも、忙しくて予約したのを忘れている場合があります。またとりあえず予約の場合、他の飲食店に決まったのに連絡し忘れている、ということが多いです。このような場合、飲食店側から予約状況について確認を取ることで、無断キャンセルを回避することができる可能性が高いです。  

予約のタイミングにもよりますが、一般的には予約日の1週間前~前日に、予約内容のリマインド電話やメールをすることで、キャンセルの確認をすることができ、当日のノーショーを防ぐことができます。

対策3:予約特典やキャンセル料を設ける

お店の予約内容に「予約特典」や「キャンセル料金」といった「縛り」を設けることで、お客様がドタキャンしたり無断キャンセルしにくい状況を作ることができます。

たとえば、居酒屋なら予約特典でその日のおすすめのお酒を1杯サービス、食後のデザートサービスなどといった、利用するお客さんに合わせた特典を付けることで、サービス目当てで予約が入りやすくなり、キャンセルされにくくなります。
またキャンセル料金を設定し事前に通知しておくことで、ドタキャンするようなお客様からの予約を減らすことができます

あまりにもノーショやドタキャンが多い場合には、「前受金制度」にしてしまうという方法もあります。これならドタキャンやノーショーされても、キャンセル料を取り逃すことがありません。

対策4:自動のキャンセル規定を設ける

今現在、飲食店業界は「お客様に主導権がある」店舗が多いです。しかしこれを「店舗側に主導権」を戻すことで、ドタキャンやノーショーなどを防ぎやすくなります。
具体的には事前連絡がつかなくなった場合、店舗側の判断で自動キャンセル扱いにするというような設定です。お客様にきちんと事前に自動キャンセルの話をして、了承を得ていないとトラブルになることもあるので、予約時に説明しておく必要があります。

例えば、3日後の19時に3名で予約を入れたお客様がいたとしましょう。この飲食店では1日前までにこちらからのリマインド電話で連絡が付かない場合、自動キャンセルになることをお客様にお話しています。
予約の再確認のため3日前に電話連絡を入れたところ、電話に出てもらえませんでした。そして1日前になっても連絡がつかないため、このお客様の予約は自動キャンセルとなり、予約当日に無断キャンセル扱いにならずに済みました。

このように自動キャンセル設定を行うことで、当日の損害をなくしたり、損害額を減らすことができます

対策5:空席がでたらSNSなどで案内する

インターネットの普及により、TwitterやFacebookなどのSNSを利用している飲食店経営者が多いです。店舗の空席状況などを拡散して、集客に利用している場合がほとんどですが、中にはノーショーの被害に遭ったことを拡散し、当日にSNSで情報を発信し集客を行うことで損害を減らすことに成功している飲食店もあります。

このようにSNSは単純に新規のお客様を獲得するだけでなく、ノーショーやドタキャンの被害に遭ったときに、損失を減らす方法として利用しすることができ、さらに新規客の獲得にもつなげることができます。

対策6:連絡先をしっかり聞く

間違った連絡先で記録してしまい、客様に確認したいことがあっても連絡がつかない、なんてこともあるのではないでしょうか。
基本中の基本ですが、お客様の連絡先はしっかと確認しましょう。連絡先を間違えて聞いているような場合は、連絡したくてもつながらず、予約確認すらできない状況になってしまいます。

対策7:お店のメニューを工夫する

飲食店では予約用のコース料理を用意していることが多いですが、コースメニューを見直すことで、ノーショーやドタキャンの損害を減らすことが可能です。

予約したお客様だけが対象となるような料理だと、他のお客様にお出しするものと原材料が異なるので、ドタキャンやノーショーされたときに、他のお客様の料理に用意した原材料を使用することができず無駄になってしまいます。
しかしコースメニューも他のお客様にも提供しやすいメニューであれば、ドタキャンやノーショーが発生した場合でも、原材料を無駄にせず他のお客様に料理を提供することができるので、損害を減らすことができます。

メニューを考案するときは、ドタキャンやノーショーされたときのことを見越して、原材料を選ぶ必要もあるということを頭に入れておきましょう。

ノーショー(無断キャンセル)されやすい飲食店の特徴5つ

ノーショー(無断キャンセル)は、どこのお店でも発生しうることです。しかし数多くの飲食店の中でも、特にノーショーされやすい飲食店の特徴が5つあります。

自分のお店がノーショーされやすい飲食店に該当していないか、チェックしてみましょう。もしもひとつでも該当するものがあるのであれば、ノーショーされにくい店舗にするために、該当項目を改善する必要があります。

特徴1:お客様の名前だけで予約を取る

飲食店によっては、予約者名だけで予約可能なところもあります。お客様としてもあまり細かな個人情報を聞かれることがないため、気軽に予約しやすいです。
しかし飲食店に自分の連絡先を教えていないため、「キャンセルの連絡をするのが面倒だから、そのままばっくれてしまってもいいかな?」という心理が働いてしまうこともあります。
また連絡先を聞かないことで、予約のリマンドを行うことができず、当日の無断キャンセルにつながってしまう可能性が高いです

予約を受けるときは必ずお客様の電話番号など、後日予約確認を行える連絡先を聞いておきましょう。

特徴2:接客態度がそっけない

予約を受けるときのお客様とのコミュニケーションが重要というのは、先ほどお話しました。予約受付時にあまりにも店員がそっけない態度だったり、やる気がなさそうな態度をとっているような場合は、予約してくれたお客様の気分を害してしまうこともあります。
自分が他の飲食店などに電話予約をしたときに、電話口でいい加減な対応ややる気のない声で対応されたらどう思いますか

信用できない
気分を悪くさせたのかな?」
態度がムカつく
やる気あるのか?」

こんなことを思ってしまうのではないでしょうか
店員もお客様も人間ですので、その時によって気分が悪かったりすることはあるでしょう。しかし応対した店員の対応が悪いと、店員だけでなくお店に対して不信感などを持たれてしまい、お店の悪評につながってしまうこともあります。

そして店員の対応が気に入らないと、予約をいれたもののキャンセルの電話をせずに無断キャンセルされてしまう可能性も否めませんそのため店頭での接客はもちろんですが、電話対応などもしっかりと指導する必要があります

特徴3:店の情報があまりない

インターネットが普及してお店のHPを持つ飲食店が増え、予約サイトなどに情報を掲載するケースも多いです。また地元の無料情報誌などに店舗情報を掲載している飲食店も多いですが、その店舗情報、お客様目線で考えて掲載していますか

常連客ならまだしも、初めて訪れるお客様は店舗のHPや、情報誌・予約サイトなどに掲載されている情報を元にお店選びをしていることが多いです。
一度予約を入れたものの、店舗のHPや予約サイトなどに掲載している情報が少ないと、不安になってキャンセルしたり、他のお店の方がよさそうと無断キャンセルされる可能性が高くなってしまいます。

メニューや料金だけでなく、お店の地図や営業時間、店内の画像などを公開することで、お客様は安心できますし、お店への期待(満足度)が高くなってキャンセルをしにくくなります。

特徴4:電話の応対や返信が遅い

電話やメールが苦手というお客様もいますが、後日予約確認を取らない場合はキャンセルされやすい傾向にあります。また予約電話のときに、お店側の対応が遅いと不信感が生まれたり、予約したことを忘れてしまうといったことにつながってしまい、キャンセルされやすくなってしまいます。

予約に対するレスポンスは迅速に行いましょう。

特徴5:予約サイトでしか予約を取らない

飲食店側にとって予約サイトは、簡単にお店の宣伝ができ集客が簡単なもので、お客様にとっても時間を気にせず予約できる点から便利なシステムです。しかし、時間を気にせず簡単に予約できる分、ネットだけのやり取りで実際に店舗とのやり取りが発生しないため、キャンセルされやすい傾向にあります。

お店のメールアドレスや電話番号を掲載するなど、直接店舗と連絡ができる窓口を用意すると、お客様が詳細を問い合わせしやすくなり、キャンセルを減らしやすくなります。

まとめ:予約キャンセルを防いで利益を守る!

ドタキャンやノーショー(無断キャンセル)は、飲食店にとっては損害が大きく頭を悩ませている問題です。お客様のモラルやマナーによるものが大きいですが、近年増加傾向にあり国も問題視しています。
ノーショーでばっくれられた場合にはキャンセル料の回収が難しいため、泣き寝入りしてしまう飲食店が多いです。しかし事前に対策を取ったり、ノーショーされた場合に適切な対応を取ることで、急なキャンセルを防ぎ、当日の損害を軽減することもできます。
ノーショーされやすいお店の特徴に該当するものがあるのであれば、改善すべき点を見直しするだけでも、急なキャンセルを減らすことができるでしょう。