日本の旅館はクレジットカード決済化が進んでいない?導入の必要性を解説

温泉宿や観光地にある旅館など、日本国内には数多くの旅館があります。外国人観光客の増加やクレジットカード環境の整備が整ってきていることもあり、人気の高いところや有名な観光地にある旅館はクレジットカード決済に対応しているところも多いですが、地方によってはまだクレジットカードが使えない旅館もあります。
今回はクレジットカード決済を導入するか悩んでる人向けに、クレジットカード決済を導入することのメリットやデメリットなどをご紹介していきます。

地方に行くとクレジットカードが使えないことがある

飲食店などと比較するとクレジットカード決済ができるところが多い旅館ですが、地方にある家族経営の旅館や民宿などでは支払いが現金のみで、クレジットカード決済ができないところも少なくはないのが現状です。クレジットカード決済に対応していない理由としては以下のようなものがあります。

普段からクレジットカードを使っていないので利便性を感じづらい

都市部でもクレジットカードは持っているものの、日常的な支払いで使っているという人はまだまだそこまで多いわけではありません。これが地方に行くとその傾向がより顕著なものとなり、日常生活の中でまず使うことないクレジットカードで決済するよりは、なじみ深い現金でのやり取りのほうが安心できるといった考え方も少なからずある傾向にあります。

若いスタッフがいないので操作方法を覚えられる自信がない

家族経営の旅館や民宿の場合、宿を切り盛りする人がある程度ご年配の方しかいないというケースも少なくはなく、新しくクレジットカード決済を取り入れた場合、操作方法を覚えられるか不安といった点に加え、もしカード決済でトラブルがあった場合にどう対処すればわからない、などの不安点が大きくなりがちです。
こういった点がハードルとなってしまい、なかなかクレジットカード決済の導入に踏み切れないケースもあります。

クレジットカード決済の必要性

上記でご紹介したようなポイントもあり、クレジットカード決済が導入されていない旅館や民宿などがあるのも現状ですが、クレジットカード決済を導入する必要性があるかないか、という論点については、「必要性はある」という結論に達します。その理由としては次にご紹介する「新しい顧客開拓につながる」ためです。

クレジットカード導入で予約を増やせる

旅館や民宿などの宿泊費を払うときに、日本人でも出来ればクレジットカードで払いたいと考える人は少なくはありません。日本に観光に来た時に持っているお金を両替しなければならない、というわずらわしさを解消できるクレジットカードの使用を外国人観光客が好むのは当然の話といえ、旅館やホテルでもクレジットカード決済ができるところが優先的に選ばれやすくなります。
この点からもクレジットカード決済を導入することで、外国人観光客という新しい顧客開拓が可能になり、好感を持たせることができれば旅館の知名度などを上げることにもつながります。

クレジットカード決済のメリット

クレジットカードを導入する前に、まずはメリットやデメリットをきちんと把握しておく必要があります。ここからはクレジットカードを導入した場合どのようなメリットがあるのかをご紹介します。

現金を管理する手間が省ける

現金でのやり取りは日常的に行っていることから慣れていることに加え、わかりやすいという点もあります。
しかし現金は銀行やATM入金するまでは自分で管理をしなければならず、金庫に保管したりしなければならない手間がかかりがちです。クレジットカードであればこういった現金の管理は必要なく、余分な手間をかける必要性もありません。

お客様が大金を持ち歩かなくて良い

上記の現金管理の点でも触れましたが、大金を持ち歩いての移動は必要以上に神経を使いがちで、疲れ方も大きくなってしまいます。クレジットカードが使えない旅館などを利用する場合、旅行期間が長くなれば長くなるほど支払金額も大きくなってしまうので、旅館側がクレジットカードを導入すればこのようなお客の苦労を軽減させることができます。

お客様が支払期日を調整できる

大金を持った旅行では余計な神経を使ってしまうというのは上記でも触れましたが、クレジットカード決済ができれば旅行の時にかかった宿泊代を後日支払いにすることもできますどうしてもまとまったお金が飛んでしまいがちな旅行において、宿泊費の支払いだけカードにして給料日後にする、などのように旅館を利用する人が計算をしやすくなるというメリットがあります。

お客様のクレジットカードにポイントが付く

クレジットカードの中にはカードでの支払い金額に応じてポイントがつくというものも少なくありません。旅館などの宿泊費は日常的なカードを使った買い物よりも金額が大きいことが多く、それだけ付与されるポイントも大きくなります。溜まったポイントを使って他の買い物などをすることもできるので、クレジットカードの導入はお客にとってもメリットの大きい話です。

クレジットカード決済のデメリット

クレジットカードの導入はお客にとってはメリットの大きい話ですが、その一方でシステムを導入する宿側にはいくつかのデメリットもあります。ここからはクレジットカードを導入する場合のデメリットをご紹介していきます。

カードの手数料を支払わなければならない

クレジットカード決済を導入した場合、宿側はクレジットカード会社にもよりますが、47%の加盟店手数料と呼ばれるものを支払わなければなりません
ただでさえあまり儲けが大きくない中で、手数料を支払わなければならないとなると余計に利益が減ってしまうので宿側としては尻込みしてしまいがちですが、クレジットカードを導入した場合は現金払いの場合より単価が高くなりやすいというデータもあります。

端末の操作が手間である

現金を扱い場合、電卓を利用したりキャッシャーを利用したりと以前からよく操作していた方法でのやり取りができますが、新しくクレジットカード決済を導入する場合にはカード決済端末の操作方法を覚えなければなりません。
対応する端末にもよりますが基本的には今までやったことのない使い方をするものが多く、家族経営の旅館や民宿などスタッフが年配の方ばかりの場合にはこういった操作が難しいという点や、とっつきにくく感じてしまうといったデメリットになってしまいがちです。

現金になるまで時間が必要

現金での支払いの場合、お客から代金を受け取った時点で手元に現金があることになり、すぐに収益を他に回すことも可能です。しかしクレジットカードの場合は入金までに時間がかかるケースが多く、すぐに現金が必要な場合などは対応できないことも少なくありません。
しかしそんな中でも最短で翌日には入金してくれるところなど、さまざまなサービスを展開するカード会社も出てきているので、状況に合ったクレジットカード会社を選ぶのが重要です。

キャッシュレス決済でドタキャンやノーショーを無くそう!

サービス業界で大きな問題となっている「予約をしたのにお客が来ない」というドタキャン・ノーショーへの対策として、キャッシュレス決済の導入が推奨されています。クレジットカードやモバイルなどキャッシュレス決済にはいくつかの種類がありますが、その中でもクレジットカードは利用者も多く、歴史もあることから信頼性が最も高い方法と言えるんです。
キャッシュレス決済を導入することで前払いなども容易になり、ドタキャンやノーショーの被害に遭うことを減らすことにもつながりますし、ドタキャンに遭ってしまっても損害額を減らすことにもつながります。また上記でも触れたように、お金をその場で支払わなくていいという気楽さや、出費を計算しやすいというメリットもあるのか、現金払いをするお客に比べてキャッシュレス決済のほうが客単価が上がりやすいです。
このためドタキャンやノーショー対策と合わせて飲食店が売り上げを伸ばすためのキーポイントになりやすいんです。

キャッシュレス決済についてはこちらのページをご参照ください。

まとめ:クレジットカード決済はメリットの方が強い

クレジットカード決済の導入は端末の操作面や、入金までのタイムラグがあるなど、お店側が感じるデメリットもありますが、外国人観光客をはじめとした新規顧客の開拓や、客単価を上げやすいといったメリットも多くあります
メリットとデメリットを比較した場合メリットのほうが強く、ドタキャンやノーショーなどの対策にもつながるので、今回の記事を参考にしてまだクレジットカード決済を導入していないお店はぜひ導入に踏み切ってみてはいかがでしょうか。