深刻な経済問題に発展しているドタキャンやノーショー(無断キャンセル)は、飲食業や旅行業界だけだと思っていませんか?実は医療業界でも、ドタキャンやノーショーの被害が増えてきています。医療業界の中でも「歯医者」のはノーショーが起こりやすく頭を抱えている医師が多いです。一体なぜ歯科では、ドタキャンやノーショーが起こりやすいのでしょうか?
今回は歯科でノーショーやドタキャンが起こりやすい理由や、歯科でのノーショー対策について解説していきたいと思います。
目次
歯医者は無断キャンセル(ノーショー)されやすい?!
歯科がドタキャンやノーショーされやすい一番の理由は、「歯科医院や専門クリニックの多さ」です。歯科といっても一般的な虫歯予防だけのところや、矯正歯科など診療科目はさまざまなものがあります。近年、歯科医師が急増しそれに伴い開業して自分の歯科医院やクリニックを持つ医師が増加しているんです。
ノーショーについては業界は異なりますがこちらの記事で詳しく解説しています。
歯医者はコンビニよりも多い!?
しっかりと知識を積み経験を積んだ医師の多くは開業し、自分の医院を持つ人が多いです。医療の中では歯科医院は開業医が多く、1つの地区に歯科医が密集してコンビニよりも多い状況になっています。そのため集患するのに苦労している歯科医院も多く、その結果患者は少しでも通院している歯科医が合わないと感じたら、他院へすぐに転院しやすい環境になっています。
他院への店員を防いだり、ドタキャンやノーショーに対する対策をしっかりと立て、利用者を増やしていく必要があります。
患者が歯医者を無断キャンセルする理由
歯科での患者のドタキャンやノーショーを防ぐには、患者がなぜこのような行為を行うのかという心理を知らなければなりません。まず最初にドタキャンやノーショーを行う患者の心理を考えてみましょう。
予定が変わってしまった
歯科の多くは夜間診療を行っている所が少なく、昼間のみの所が多いです。そのため昼間や夕方に予約を取っていた場合、急な仕事で予約時間に行けなくなるという社会人が多いです。また人によっては急に体調が悪くなったり、急な身内の不幸などで歯医者のことをすっかり忘れているというケースもあります。
予約者本人の急なスケジュール変更でいけなくなったときに、歯医者は他の医療科目と比べると、患者から軽くみられがちです。そのため気軽にドタキャンやノーショーしてしまう患者が多いです。
行きたくなくなった
内科や眼科など他の科目と比べると、「歯医者=痛い・怖い」といったイメージを持っているのは、子どもだけでなく大人も同じです。しかし最近ではこのようなイメージをなくそうと、「無痛治療」に力を入れている歯科医院は多いのではないでしょうか?
「痛い」「怖い」といったイメージで、予約していても当日にドタキャンやノーショーを行う患者さんがごく一部ですがいます。そのような患者さんのイメージを変えるためにも、歯科医院のHPや、院内のポスターなどで、無痛治療などに関する情報を公開したりアピールすることも大切です。
痛みを軽減したり無くすことができるということを知れば、患者さんも虫歯などの状態が悪化するまで放置せず、気軽に来院しやすくなりドタキャンやノーショーも減っていくでしょう。
予約を忘れていた
これは患者さんが意図していたものではありませんが、「予約日を忘れる」「予約日を勘違いする」といったことが原因の場合もあります。100%完璧な人間なんていませんし、忙しかったりすると予約していたことが頭からすっぽ抜けていた、なんてこと誰にでも起こります。
予約日忘れを防ぐには、診察券に次回予約日を記入したり、予約日時を記載した用紙を、会計時に患者さんに手渡すといったことで防ぎやすくなります。
対策を立てて無断キャンセル率を改善しましょう!
「飲食店などのサービス業とは異なるから、ドタキャンやノーショーを防げないのでは?」
そう思っている方が多いかもしれませんが、医療業界でもドタキャンやノーショーに対する対策を行うことはできます!きちんと対策を立てて、ノーショーやドタキャンを防ぎ損害を減らしていく必要があります。
治療の中断・離脱を防ぐには予約意識をしっかり持ってもらう!
患者さんによっては長期治療中に急に来院しなくなったり、担当医へ相談なしに他院へ転院してしまうこともあります。まずは患者さんに歯や口腔内の治療で、「通院している」という意識を持たせることが大切でしょう。
場合によってはセカンドオピニオンを利用することもあるでしょうが、メインの歯科がどちらなのかをはっきりさせておくことが大切です。そのためには患者さんが予約していることを忘れないよう、予約のリマインドは重要なポイントと言えるでしょう。
また予約受付時の対応もポイントです。医師はもちろん院内のスタッフの患者さんへの対応が悪いと、患者さんは通うのが嫌になり治療中でも他院へ転院してしまう可能性が高くなります。患者さんが治療途中で離れて行かないよう、院内スタッフ全員の日ごろの態度もチェックして必要なら患者さんを不快にさせないように指導しましょう。
予約のガイドラインを整える
歯科のHPや電話での予約受付などは、キャンセルについてのガイドラインが記載されていなかったり、患者さんに知らされていないことが多いです。そのためキャンセルの連絡を入れない、という患者さんもいるんです。
まずはきちんと予約の流れや予約キャンセル時の受付時間や連絡先を周知しましょう。
予約時のガイドラインをきちんと決めて公表することで、患者さんに信頼感を持ってもらうことができ、無連絡キャンセルやドタキャンを防ぎやすくなります。
Webを活用し、いつでも連絡できるようにする
予約対応が受付窓口での対面か、電話対応だけだと時間外に予定変更や体調不良になりいけなくなった場合に連絡ができなかったり、翌日に連絡をするのを忘れていた、なんてことにもなりかねません。
そのためHPやSNSなどを利用して、24時間予約の変更を受け付ける体制を整えることで、無断予約キャンセルやドタキャンを減らすことが可能です。また24時間体制で予約を受け付ける形にすることで、新規の患者さんの集患にもつなげることができます。
最近ではスマホが普及していることから、HPやSNSだけでなくLINEを利用した予約受付を行っている歯科医院もあります。
予約サイトで患者様に評価してもらうには!
歯医者が急増したことで経営戦争が激化し、Googleや医療系の予約サイトなどを併用して集患を行うこともあるでしょう。このようなサイトでは実際に通院した患者さんの「口コミ評価」が、歯科医院やクリニックの集患につながっていきます。他院の良い口コミをみた患者さんが、予約をキャンセルして別の歯科に行くことも珍しくありません。
患者離れを防ぐという意味でも普段からの治療法や、患者さんに対する対応をきちんと行う必要があります。さらに治療後、患者さんに不快感を与えないよう気を配りながら、さりげなくチラシなどで口コミ評価をお願いするようにしましょう。
あまりうるさく言ったり、口コミ記載を強要すると逆に患者さんに不信感を持たれて、患者離れの原因になってしまうので注意する必要があります。
まとめ:無断キャンセル対策で集患しましょう!
歯科医院がふえたことで経営競争が激化し集患するのも一苦労な状態なのに、無断キャンセルやドタキャンが続けば、歯科医院やクリニックも経営状況が途端に悪化してしまいます。
飲食業界など他業界と同様に歯科でもドタキャンや無断予約キャンセルを防ぐことで、損害を減らすことができます。無断予約キャンセルは同時に集患につながることが多いため、歯科でもきちんと対策をとる必要があります。普段から患者さんの目線で対策を考えることで、患者離れや無断予約キャンセルを防いでいきましょう!