結婚式を中止する場合のマナー!お詫び状や結婚祝い・ご祝儀のお返しとは

結婚式の日取りを決め、招待状を発送した後で延期や中止になることがあります。結婚式場や新婚旅行を予約していた旅行会社などにキャンセルの連絡などをするのはもちろんですが、招待したゲストの対応もきちんと行わないとその後の人間関係に影響が出ることもあります。
しかし人生で1度の結婚式、中止になったときのマナーについて知らない、という方は多いですよね。そこで今回は結婚式を中止する場合のゲストへのお詫び状やお返しなどの対応についてお話していこうと思います。

結婚式を中止する場合の連絡方法

理由に関わらず、結婚式が残念ながら中止になってしまう場合は式場やハネムーンの予約を入れていた旅行会社だけでなく、ゲストへの連絡も必要になってきます。結婚式に参加予定だったゲストへの対応は、迅速な対応はもちろんお詫び状を送るのが一般的です。
ただし婚約時にお世話になった親族や仲人を頼んだ上司、また結婚式の主賓に当たる方には、直接出向いて対面で結婚式が中止になったことを説明するのがマナーとなっています。

中止する場合の連絡は迅速に

結婚式に参加予定のゲストは、当日のために衣装などを用意します。また遠方の場合は、会場までの交通手段や当日宿泊するためのホテルの予約などを取る方もいますよね。そのため結婚式の中止が決まったら、ゲスト側の負担も考え迅速に連絡する必要があります

メールなどでの連絡は厳禁

結婚式の中止連絡が早ければ早い方がいいからといって、メールやSNSのメッセージなどでの連絡はNG!
メールやSNSだと相手が気付かず読まれない可能性高いです親しい人や近くに住んでいる方なら、対面や電話でひとまず結婚式の中止の連絡を入れてもよいでしょう。ただし結婚式1週間前など直前で中止になった場合は、ゲスト一人ひとりに電話で連絡して、後日改めてお詫び状を送りましょう。電話番号がわからない場合はメールでの連絡でも止むを得ません。

必ずお詫び状を発送しよう

結婚式が中止になった場合、参加予定だったゲストへは「お詫び状」を送るのが一般的なマナー。親しい間柄で口頭で知らせていた場合でも、改めて送る必要がありますハガキで良いと思ってる方もいるかもしれませんが、ハガキだとゲスト本人以外の目にも内容が触れてしまうため、一般的に、お詫び状は封書で送るのがマナーとなっています。

お詫び状は印刷でもOK!

結婚式に参加するゲストへのお詫び状は、印刷でも大丈夫です。
参加予定のゲストが多ければ自宅で印刷するのも大変なので、印刷会社に頼むことをおすすめします。印刷会社によっては、文面や封筒の宛名印刷、発送まで行ってくれることもあるので、参加予定のゲスト数が多い場合はお金はかかりますが、印刷会社に頼んだ方が手間をかけず発送までの作業が早く済むことが多いです。

お詫び状の文例

お詫び状の文章に悩む人は多いですが、こういったフォーマルシーンの文章は、ある程度雛形のようなものがあります
今回お詫び状の文章の一例をご紹介しますが、結婚式場やフォーマル関係の内容を扱っているサイトでは、キャンセルや中止・延期に関する例文を公開している所が多いです。そういったサイトを参考にして文章を作成してもよいですし、お詫び状を印刷会社に依頼する場合には、印刷会社にある例文を使用しても構いません。

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謹啓

〇〇(季節に合わせて)の候、ますますご清祥(もしはご健勝)の事とお慶び申し上げます

このたび
〇〇 〇〇(新郎名)
〇〇 〇〇(新婦名)
の婚礼に際しましてはご祝福をいただき、ご臨席のお返事を賜り誠にありがとうございます。
ここに突然のことでございますが、〇月〇日予定の挙式をやむなき事情(またはやむを得ず・誠に申し訳ございませんが・すでにご案内をした後ではありますが)により、中止いたしますことに相成りました。

日時が迫ってからの突然の中止の連絡となり、皆様には多大なご迷惑とご心配ををお掛けしてしまう事を心からお詫び申し上げます。

書中でのお詫びとご案内を申し上げる失礼をお許しくださいませ。
何卒今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます
略儀ではございますが、お詫びまで申し上げます。

謹白(女性が書き手の場合は早々)

令和〇年〇月〇日 
氏名 〇〇 〇〇(新郎フルネーム)
〇〇 〇〇(新婦フルネーム
(招待客名)様 

お詫び状に理由は明記しなくてよいのか?

お詫び状に結婚式中止の理由を記載しても構いません。しかしどちらかの浮気や、相性が悪くて破局したなど周囲にあまり話せない理由で中止になることも多いですし、あえて話したくないという方もいることでしょう。そのような場合には「やむなき事情」と表記するのが一般的です。
理由を明記する場合は、結婚式を中止する原因になった相手方を非難するような理由を記載しないよう気を付け、誠実で簡潔な文章にすることがポイントになります。

差出人の名前はどうしたらいい

結婚式中止のお詫び状を送るときに、差出人の名前で迷う方は多いです。基本的にお詫び状の差出人に関しては、「招待状の名義」がポイント。

  • 新郎・新婦名義で招待状を出した場合:本人名義
  • お見合いなど両親名義で招待状を出した場合:両親名義

相手側と連名で送るのが基本で両家の親名義の場合は、両家代表者の名前をフルネームで記載します。やむを得ない理由で婚約破棄となった場合など、連名が難しい場合は自分側の名前だけでお詫び状を作成します

電話でのお詫び連絡の文面

電話で結婚式の中止連絡を行う際も、言葉に気を使いますし、どう話していいのか気まずい雰囲気になってしまうものです。あらかじめ以下のような文例を参考に言葉を考えておけば、連絡がスムーズに行えます。

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突然のことで誠に申し訳なく思っています。
実は、先日お知らせした〇月〇日の挙式についてですが、やむを得ない事情で中止することになりました。
日程調整をしていただいたのに、このようなことになってしまい、誠に申し訳ありません。
後日改めてご挨拶させていただきますが、取り急ぎご連絡いたしました。

ご祝儀や記念品をお返しする際のマナ

結婚式が中止になった際、中止のお詫び状を送るのと一緒に、すでに結婚祝いの記念品やご祝儀をいただいている場合の対応も考える必要があります。どちらの場合も間違っても現金でお返ししてはいけません!
結婚式が中止になった場合にいただいた結婚祝いやご祝儀を返すときは、商品券でというマナーがあります。

お返しは上乗せが基本

結婚のお祝いの気持ちが込められた記念品をそのままお返ししてしまうと、とても失礼な人と見られてしまいます記念品をいただいた場合は、その品物の値段を自分たちで調べてみて、いただいた記念品の金額に少し上乗せした金額の商品券をお返しします。
たとえばいただいた記念品の価格が8,000円程度なら10,000円分の商品券といった感じで、いただいた金額の2~3割増しの金額でお返しします。
ただしご祝儀の場合は、いただいた現金分の商品券でお返しするのが一般的です

商品券と贈り物がベタ

結婚の記念品、ご祝儀ともにお返しする場合は、商品券のほかにちょっとした品物をプラスして、お詫び状と一緒にお渡しするのが一般的なマナーです。一緒に送るちょっとした品物は、ご当地の名産物やアルコールなどだと個人の嗜好に偏り過ぎるので、日持ちしやすいお菓子など多くの人が好むものがおすすめ。

お返しには必ず一筆つけよう

お返し品を送る際には「いただいたものからすると、不足しているかもしれませんが…」といった、一言を添えてお詫びするのも大切なポイントです。このとき「相手からいただいたもののほうが高い」、という姿勢でお詫びの文章を書くと相手の気持ちが和らぐことでしょう。

まとめ:焦らず誠意をもって対応しよう

結婚式がやむを得ない事情で中止になった場合は、式場などへのキャンセル連絡はもちろんですが、ゲストや仲人などへの中止連絡を迅速に行う必要があります。
メールやSNSのメッセージでの簡易的な連絡はマナー違反。身近な人や友人など親しい人へ電話や口頭で連絡した場合でも、お詫び状を送るのが一般的なマナーです。またお詫び状を送る際はご祝儀やお祝い品をいただいていた場合は、それに見合った金額の商品券とちょっとした品物をプラスしてお返しします。
やむを得ない事情とはいえ、結婚式が中止になることで気持ちが沈んでしまうでしょうが、それは当人たちの事情です。どんなにつらい心境でもゲストや仲人、主賓に対して、誠心誠意失礼のない大人の対応を行うようにしましょう。